転職を考えるとき、真っ先に見たいのが求人情報です。求人情報を探す方法には、主に以下の7つがあります。
- 転職サイト
- 転職エージェント
- 求人誌(無料・有料)
- 新聞の求人欄
- ハローワーク
- 企業のコーポレートサイト
- 友人知人からの紹介(リファラル採用)
この中でも現在もっとも一般的な方法である「転職サイト」にはどんな特徴があり、どんなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、転職サイトの選び方や利用するメリット、おすすめの転職サイトを解説していきます。
転職サイトとは?

転職サイトとは、求人検索から内定を得るまでの一連の転職活動をオンライン上で進めていく転職支援サービスです。
転職活動は個人で進めていくことを前提としており、利用料は無料、誰でも利用することができます。サービス登録をすると会員専用ページが与えられ、求人情報をリストアップしたり求人への応募を効率よく進められます。
転職エージェントやその他求人媒体との違い
転職サイトとよく混同されるのが転職エージェントです。転職エージェントサービスは、一人一人に専任キャリアアドバイザーがつき、希望にあう求人の紹介や面接支援などの全面的な活動をアシストしてくれます。全く同じ求人でも、転職サイト経由で応募した場合はあなた個人と募集企業が直接やりとりをするのに対し、転職エージェント経由で応募した場合はあなたと企業の間にキャリアアドバイザー入る形となります。
ハローワーク(公共職業安定所)には相談窓口があり、その場で転職活動の進め方や求人についての質問ができます。しかし、転職サイトと比較すると待遇面で見劣りがする求人が多く、どうしてもそのエリアで働きたい人以外にはメリットがあまりありません。
地方エリアで転職を検討するなら、求人誌や新聞の求人欄のように地場企業の利用率が高い媒体を確認すると良いでしょう。ただし、新聞は購読者層が年々高齢化しており、若年層向け求人の比率は下がってきています。一度確認してみて、あまりに求人数が少なければ定期的なチェックは不要でしょう。
転職サイトを利用するメリットは?
応募から内定まであなた一人で対応するのは不安に感じるかもしれませんが、転職サイトには転職サイトならではのメリットが存在します。
①掲載求人の豊富さ
求職者であるユーザーは、転職サイトも転職エージェントも無料で利用することができます。
しかし、求人情報を掲載する企業側は掲載料を支払っています。掲載料の相場は、転職サイトなら数十万~、転職エージェントなら100万円~ほど。つまり、たくさんの企業が利用しやすく求人情報が集まりやすいのは、掲載料の安い転職サイトの方なのです。
大手転職サイトの「リクナビNEXT」や「doda」、「マイナビ転職」などには、常時数万件もの求人情報が掲載されており、転職エージェントが扱っていない求人も多数保有しています。
②おすすめ・スカウト機能で選択肢を広げられる
キャリアアドバイザーは介在しませんが、転職サイトからもあなたにおすすめの求人情報が配信されます。AIの進化により、過去の閲覧履歴から類似案件を自動配信する取り組みは各社が取り入れています。職歴・スキルなどをきちんと登録をしておけば、経歴に興味をもった企業からスカウトメールが届くことも珍しくはありません。
あなたの興味・関心のある業界だけに絞ってエントリーすると視野が狭くなりがちですが、転職サイトや企業側からも様々な情報提供があるので、応募先の選択肢を増やすことができるでしょう。
③未経験職種に挑戦しやすい
企業は高い採用コストをかければかけるほど、経験者を採用することに固執します。未経験者を採用すると、採用コストに加えて教育コストがかかり、負担が大きいからです。
転職エージェントには100万円以上の採用コストがかかるため、求人票には細かい応募資格が設定されているのが一般的です。このような求人は未経験者にはハードルが高く、転職エージェント経由で業界・職種を変えることは比較的難しいでしょう。
もしあなたが異業界・異業種への転職を考えているのであれば、転職サイトを利用することをおすすめします。
④自分のペースで転職活動を進められる
転職サイトで転職活動をする場合、応募するのも見送るのもあなたの自由なので、自分のペースで転職活動を進めることができます。
しかし、転職エージェントのように専属担当者がつけば、何かしらの理由をつけて転職活動を急かされます。転職を強制されることはありませんが、紹介求人の感想も聞かれますし、職務経歴書などの応募書類も期限をきって作成を求められます。相談にのってもらいたい人や背中を押してもらいたい人には向いていますが、そうでなければやや重荷に感じるかもしれません。
転職するかまだ決めかねている人なら、まずは転職サイトで情報収集していくスタイルの方が合っているでしょう。
⑤転職フェアに参加できる
dodaやマイナビでは、全国各地で転職フェアというイベントを実施しています。数か月に一度、東京ビッグサイトのような大規模会場を借り、中途採用を行っている数百社のブースを設けます。参加は無料で、転職サイトのアカウントを持っていれば入場手続きが簡単です。
転職フェアは合同会社説明会のようなもので、複数企業と一度にコンタクトがとれる貴重なイベントです。気になる企業があれば、ブースに入って人事担当者とコミュニケーションをとることができ、会社情報や採用情報を直接入手できます。場合によっては簡易的な一次面接を受けられることもあります。
転職サイトを利用するデメリットは?
マイペースに転職活動を進められることはメリットですが、困った時に相談する相手がいないという点が転職サイトのデメリットでしょう。
特に初めての転職活動では、さまざまな悩みや疑問にぶつかります。「カジュアルな服装で面接にお越しください、ってどんな格好?」「面接日程は後から変更してもらうのはあり?」「年収の交渉ってしてもいいの?」など、転職エージェントに聞けばすぐ解決するような悩みでも、自分で解決していかなければなりません。
ただし、よくある悩みや疑問はネットで解決できるので安心してください。多少調べる時間がかかるということだけ、認識しておきましょう。
転職サイトの利用を開始するときの流れ

ここからは、転職サイトを利用する際の基本的な流れについて解説します。
①転職サイトのアカウントを取得する
まずはアカウントの取得から始めましょう。登録をしたい転職サイトの画面を開き、新規登録のボタンをクリックします。氏名もしくはメールアドレスなどの簡易的な情報を入力するだけで、一旦の登録が完了します。
リクナビNEXTの場合は、ホットペッパーグルメなどで使っているアカウントでサービスインができ、個人情報を入力する手間が少し省けるので便利です。
②個人情報の登録(スキル・経歴編)
アカウントを取得したら、マイページにあなたの情報をどんどん入力していきましょう。
学歴・職歴・職務内容・保有資格・自己PRなどは応募時に企業に届く情報なので、漏れがないよう正確かつ詳細に入力していきましょう。入力必須でない項目もできるだけ記載しておくことで、スカウトやオファーメールが届く確率を高められます。
ちなみに、勤務先を入力しても現職の企業に転職活動をしていることはバレません。応募前の段階では、氏名・メールアドレス・生年月日・住所・電話番号・勤務先社名などの情報は、企業側から閲覧できないようになっています。20代・IT系企業・営業職のような大きな区分で表示され、個人を特定することはできないので安心してください。
また、オファーを受け取りたくない場合は、ブロック設定を行うことであなたの情報を隠すことができます。常時大量採用している企業や過去に勤務した企業などは、個別にブロック設定を行っておきましょう。
③個人情報の登録(希望条件編)
経歴やスキルなどの入力を終えたら、希望する職種や転職時期などの希望条件を入力していきましょう。
地方案件を探す場合は、希望条件が狭いと条件に合う求人が少なくなってしまいます。できるだけ条件を広めに設定し、大量の求人紹介が届くようなら条件を狭めていく、というように調節していくと良いでしょう。
④各種設定をする
「スカウトサービス」や「提携会社のエージェントサービス」の利用は任意です。転職するかまだ決めかねている場合や、転職希望時期が半年以上先の状況なら「利用しない」にチェックを入れておいて良いでしょう。
また、dodaのようにメールコンテンツの種類が多く充実している転職サイトでは、メルマガすべてを受け取ると大量のメールが届いてしまうので、必要なものだけ受信するように設定しておきましょう。
転職サイトを利用して転職活動をするときの流れ

転職サイトの登録・設定が完了したら、次の①~③のステップを繰り返していきます。
①求人検索をする
転職理由や、今後どんな働き方をしたいのか、転職で何を叶えたいのかなど自己分析を整理した上で、求人検索を開始していきましょう。
転職サイトの検索機能はどんどん進化しており、勤務地・年収・仕事内容だけでなく、残業時間や福利厚生などの検索条件も設定できるようになっています。
大都市と地方では求人の探し方が少し異なるので注意しましょう。大都市では求人が豊富にあるため、希望条件をある程度狭めてから徐々に広げていくほうが効率的です。地方はその逆で、福岡・仙台・札幌のような政令指定都市でも求人の量や種類に偏りがあり、希望条件をできるだけ広めにして検索したほうが効率的になります。
②求人応募をする
気になった求人は、転職サイトのお気に入り機能を使って一旦保存し、慎重に応募するようにしましょう。
応募後に面接案内が来てから応募を取り下げるのはマナー違反にあたります。とりあえず応募して書類審査に通ったら面接に行くか考えるのではなく、応募前に求人票や企業のコーポレートサイトなどをしっかり確認してから応募しましょう。
③面接にいく
求人に応募すると、転職サイトを通じて企業の採用担当者に通知がいきます。書類審査を通過すると、採用面接や>適性検査を受ける流れに進みます。
面接日は企業側が提示してくる中から選ぶか、あなたの希望日時をいくつか伝えて調整していきます。面接は平均2回ほど実施され、二次面接の案内は一次面接を通過した後に届きます。
企業によっては面接前後に適性検査を行いますが、たいていはSPI3という国語や数学などの基礎学力考査と性格判断テストです。適性検査の受験は、自宅のパソコンで指定された期日までに済ませます。
④内定をもらう
最終面接の後、内定の一報が届いたらとても嬉しいですよね。しかし、ここですぐに入社を承諾してしまうと、あとでトラブルに発展することがあります。
待遇面などの入社条件は、口頭で伝えられても正式な内定ではありません。「内定通知書」「労働条件通知書」などの書面を企業に発行してもらいましょう。口頭だけでは言った・言わないのトラブルに発展しやすいので、文書でもらうことが大切です。
労働条件通知書の発行後は、条件面を細かく確認し、不明点があれば速やかに問い合わせしましょう。残業がつく条件や転勤頻度はどれくらいかなど、気になることは事前に解消することが重要です。事前に確認をせずに入社を決めると、あとから「こんなはずではなかった」と転職を後悔することになってしまいます。
希望条件との相違で入社を辞退したいと思う場合も、速やかに企業に伝えましょう。辞退された企業はすぐに別の候補者を探さなくてはなりませんから、内定辞退を言い出しにくくても、できるだけ早く連絡するのがせめてもの誠意です。
⑤入社する
良い企業と巡り会え、内定を受諾したら、企業から入社までの流れの説明を受けます。入社日までに用意する書類や健康診断の受診などを求められるので、入社日に間に合うようスケジューリングしましょう。
あわせて、現職中の人は現職業務の引き継ぎと有給消化もありますので、漏れがないようきっちり進めていくようにしましょう。
自分でスケジュール管理をするコツ
基本的に、企業とは転職サイト内のメール機能でコミュニケーションをとっていきますが、途中からメールや電話で直接やりとりすることも多くなります。応募から内定まで、日程調整などの進捗管理をすべて自分で行うことになるので、抜け漏れがないよう、手帳やノートなど管理ツールを用意しながら進めていくことをおすすめします。
転職サイトを使うときに準備すること

次に、転職サイトをより快適に利用するために、事前に準備すべきことについてまとめます。
転職サイト専用のメールアドレスを用意する
転職サイトの登録にはメールアドレスが必須ですが、できれば普段使用しているアドレスではなく、転職サイト専用のアドレスを別途作って登録するほうが良いでしょう。
というのも、ひとつの転職サイトから届くメールの量は1日あたり5~10通ほどあり、複数の転職サイトを同時利用すると、毎日大量のメールが届くことになるからです。プライベートなメールと混ざると、スカウトメールや企業からの重要なメールを見逃してしまう可能性も出てきてしまいますね。
転職活動用の新アドレスを作成する場合には、下記に留意しましょう。
転職活動でPCを使う機会は意外に多く、様々なデバイスで使えるタイプのアドレスにしましょう。(例)Gmail、hotmail、Yahooメールなど
このアドレスで企業の人事(採用担当者)と直接連絡を取り合うことも想定されるので、プライベート感が出てしまう文字列、例えばloveやhappyといったスペルのアドレスは避けましょう。顔文字が入ったアドレスもビジネス向きでありません。
履歴書や職務経歴書を作るための情報をそろえておく
リクナビNEXTのような大手転職サイトには、登録情報から履歴書・職務経歴書を作成できる機能をサイト内に備えています。指定の項目を入力するだけで、wordやexcel、pdf形式の履歴書・職務経歴書を出力できるので、自身で書類を作り込む必要がありません。
事前にすべきことは、各書類に「盛り込む情報」を集めておくこと。例えば、下記のような項目を集めておくと、入力がスムーズに進むでしょう。
- 最終学歴の入学・卒業年月日
- 現在または直前の勤務先の入社・退社年月日
- 保有資格の取得年月日
- 勤務先の会社概要(事業内容、資本金、従業員数など)
- 主な職務内容
職務内容をまとめるのには時間がかかると思いますが、重要な部分なので詳細に記載しましょう。職務内容に記載すべきポイントは下記3点です。
どんな商材(サービス)をあつかう部署で、具体的にどんな業務内容を担当していたのか記載する。
営業職であれば、目標・実績・達成率を数値で記載しましょう。
顧客もしくは社内のどんな課題を解決したか、課題解決の事例を中心にまとめると書類選考の通過率があがります。エピソードは具体的に記載しましょう。
写真の準備
転職サイトのdodaなどには、証明写真のアップロード機能があります。証明写真を添付すれば書類通過率が上がると言われているので、提出が任意でもアップロードしておくことをおすすめします。
転職活動において、証明写真は必ず使うものです。転職を検討したら、紙とデータの2種類を早めに準備しておきましょう。
証明写真を写真店で撮ると、紙とデータ(CD-R)をセット販売してくれるので、データをアップロードしたり焼き増しもできて便利です。撮影時間は15分前後、撮影料は2000円以下でできるところがほとんどです。
もし近くに写真店がなければ、自宅でデジカメやスマホで撮影したものでも構いません。証明写真のように加工するアプリも出ており、スーツを着用して白壁の前で撮るなどの工夫をすると良いでしょう。写真印刷はコンビニのコピー機で出力することができます。
希望条件の整理
あなたにあった求人を選ぶには、なんとなく求人を探して応募していってもうまくいきません。職場に対する不満など、目の前の不満を解消するために転職活動を始めても、改善もなく少し環境が変わるだけです。
「叶えたい理想の働き方とは何か」「働き方が叶ったら仕事面でどう成長したいか」この2点をしっかり言語化し、あなたの希望条件を整理していきましょう。よい求人と出会うためには、自分なりの転職軸をきちんと持つことが重要なのです。
転職サイトを使うときの注意点

転職サイトを使う上でよくある失敗事例をもとに、利用の注意点をまとめます。
登録情報は正確に入力する
学歴の入学・卒業年月日や、職歴の入社・退社年月日の日にちは、間違わずに入力しましょう。頭の中で「平成○年」と覚えていても、転職サイトでは西暦での入力が主流となっており、まちがった年月日を入力してしまうミスが多発しています。
ケアレスミスは人事担当者によい印象を与えませんし、最悪のケースでは経歴詐称と受け取られることもあり得ます。厳しい企業なら、ミスが発覚したと同時に不合格扱いにするケースもあります。登録情報をすべて入力し終えたら、間違いがないか改めて点検しましょう。
スカウトメールや企業からのメールを埋もれさせない
メールアドレスの準備でも説明したとおり、転職サイトからは大量のメールが届きます。メルマガ的な内容のメールは週末にまとめ読みする程度で構いませんが、絶対に見逃してはならないメールは以下の2つです。
①スカウト(オファー)メール、面接確約のメール
あなたの登録情報を見た提携エージェントや、企業からのスカウト(オファー)メールは見逃さないようにしましょう。あなたに高い興味を持っているので、こちらから何かしらアクションをすれば転職活動が前進する可能性があります。
企業からのメールの中には、登録上の情報をもとに簡易的な審査を行った結果、書類選考無しですぐに面接を行うという面接確約のメールが届くこともあります。希望の仕事内容と合致している際にはすぐに返信をしましょう。
②応募企業からのメール
応募した企業から書類選考通過の連絡や面接日時の案内が届いたら、忙しくてもすぐに返信をしましょう。レスポンスが早ければ志望度が高いことをPRできますし、スピード性はビジネススキルのひとつなので、迅速に対応すること自体に価値があります。
万が一、見落としてしまって数日後に返信するようなことがあれば、「ご返信が遅くなり申し訳ありません」といった一言を冒頭に添えるようにしましょう。
複数の転職サイトに登録をする
転職サイトを利用する場合には、複数サイトの同時利用が基本です。
掲載費用の関係で、企業が同時に掲載する転職サイトは通常1つか2つです。つまり、1つの転職サイトにしか載っていない求人も多く存在するので、複数の転職サイトに登録し、それぞれの新規求人を定期チェックすることが不可欠です。
複数登録は手間がかかりますが、入力項目はほとんど同じなので、職務経歴などはコピペで構いません。スマートフォンでの入力は効率が悪いので、できればパソコンを使って一気に登録を進めましょう。
入社希望時期を決めてから応募を始めよう

内定を承諾したら、遅くとも45~60日以内に入社するのが一般的です。そのため、入社希望時期から逆算して応募時期を決めることが大切です。
「現職のボーナスをもらってから辞めたいので入社を半年後にしたい」といった相談をする人がいますが、ほとんどの企業は半年も待ちません。募集背景にもよりますが、増員ではなく欠員募集なら急を要していますし、半年も待つなら社内異動で人員補充する選択肢も生まれてしまいます。いますぐ人員が欲しいからいま募集を出しているのですから、応募者が現職中であっても「待って2ヵ月程度である」ということを留意しましょう。
応募時に入社日のことが気になるなら、企業人事に直接問い合わせをしてもOKです。転職サイトを見た旨を伝え、「今から応募をして、もしご縁があった場合、想定入社日は何月ごろになりますでしょうか」と質問をすると、企業側の希望日を教えてくれるでしょう。
口コミサイトも併用する
転職サイトに掲載される文章は、企業の採用担当者にインタビューした内容をもとに、求人専門のライターが書いています。つまり、求人広告なのでネガティブな情報は掲載されないのです。
例えば、非常にノルマが厳しい社風の会社では「実力主義で、学歴や年齢は一切関係ありません」「経験よりもやる気を重視します」といったポジティブな文言で書かれることが多く、社員の定着率が低いことや、長時間労働が常態化している実態があったとしてもサイトにはまず記載されません。ひとつの情報源だけでは情報が偏るので、可能な限り複数のソースにあたることが大切です。
情報を集めるのに一番簡単な媒体が、企業口コミサイトです。社員・元社員が書き込みする企業口コミサイトには、求人票からは読み取れない「組織体制」「評価制度」についてだけなく、「退社理由」といった項目も掲載されているので、ここからおおよその実態が掴めるでしょう。もちろん、口コミに書かれている内容は主観的なものであり、古い情報も混じっているので、すべてを鵜呑みにしてはいけません。あくまで「こういった意見もあるのだな」くらいの把握をするつもりで、一通り確認してみると良いでしょう。
何かもかもパーフェクトな企業はありませんし、自分の希望が100%満たされる企業など存在しませんので、企業のネガティブ情報は必ず出てきます。しかし、それを入社前に把握しておくのと、入社後に知らされるのとでは、受け止め方に差が出ます。入社後のミスマッチを極力減らすためにも、求人票以外の複数の情報源に早めにあたっておくべきです。
転職サイトのおすすめはこの5社!ランキングTOP5

転職サイトの質は、シンプルに以下の4つの要素で見極めることができます。
- 掲載求人数
- スカウト機能の充実
- サイトの使いやすさ
- 他サービスとの接続性
無数にある転職サイトの中でも、この4点をクリアしているおすすめの4社を紹介します。一見するとどれも同じように見えますが、それぞれに特徴があります。
最初の一歩を踏み出すならリクナビNEXT
年齢層 | 20代~40代。第二新卒からマネジメント層まで利用可能で、そのうち39歳までの利用者が全体の約6割。 |
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取扱業種 | 全職種 |
掲載求人数 | 公開求人は約45000件(2020年9月現在)、非公開求人はデータなし |
店舗 | 全国25都市に拠点あり |
運営会社 | リクルートキャリア |
リクナビNEXTは、転職初心者が最初の一歩として登録すべき転職サイトとしておすすめです。求人数も転職決定数も、国内トップレベルの水準で確固たる地位を築いています。
- 求人件数が国内最大級。毎週約1000件の新着求人が掲載
- あらゆる業界の求人を扱っており、地方案件も比較的多い
- 超大手企業から、ベンチャー企業まで幅広いラインナップを揃えている
- 8割以上がリクナビNEXTしか扱っていない独占案件
- こだわり条件の種類が多く検索機能に優れている
- スカウト機能の充実
- 履歴書・職務経歴書など応募書類の作成機能が充実
- リクルートエージェントに同時登録が可能
転職エージェントと併用できるdoda
年齢層 | 20代~40代前半 |
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取扱業種 | 医師などの医療系職種をのぞき、ほぼ全て。総合系転職サイトとよばれる。 |
掲載求人数 | 公開求人 60,336件(2020年9月21日現在) |
店舗 | 北海道から九州まで全国に31オフィス |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
dodaの魅力はなんといっても、同じ管理画面で転職エージェントのサービス利用ができることです。リクナビやマイナビもエージェント登録は同時にできますが、管理画面が別々になってしまいます。
- 掲載件数はリクナビと同じく、国内最大級で特にIT系、専門職に強い
- 同じサイト画面で転職エージェントサービスが使える。
- 年収査定や合格診断などのコンテンツが人気
- マッチングやスカウトサービスの精度がよい
- 転職フェアで企業の採用担当者と直接話せる
スカウトが魅力のビズリーチ
年齢層 | 30代~50代の利用がメイン |
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取扱業種 | 営業職、管理部門職、ITエンジニア職、コンサル職、新規事業開発職など。特に年収が1000万以上の求人が全取扱求人の3分の1を占める |
掲載求人数 | 公開求人:109,000件以上 / 非公開求人:23,000件以上 ※ともに2019年1月9日時点までの「のべ数」と推定される |
店舗 | 東京、関西、名古屋、福岡の全国4拠点 |
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
ビズリーチは登録後にスカウトを待つ転職サイトです。印象的なCMも有名ですよね。登録には審査が必要なので、自分の今の市場価値を知るために利用している人も多くいます。また利用しているのはミドル以上が多いです。
- 国内最大級のハイクラス向け
- 知名度もあり
- 登録審査がある分期待できる
- ヘッドハンターのスカウトメールがある
- 自分の市場価値がわかる
面接確約オファーのあるMIIDAS(ミイダス)
年齢層 | 20代~50代まで幅広い層向け |
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取扱業種 | 技術系職、営業職、クリエイティブ職、管理系、販売系など幅広め |
掲載求人数 | 公式サイト上に情報なしだが、全国の優良企業17万社が利用していると実績の記載あり |
店舗 | 東京都内に2オフィス |
運営会社 | ミイダス株式会社 |
MIIDAS(ミイダス)は面接確約のあるオファーメールが特徴。書類選考で落とされるばかり…という事が減りますし、モチベーションの維持もしやすいのです。サイト内の充実した診断コンテンツも人気で、登録だけでもする価値のある転職サイトと言えます。
- 面接確約オファーで無駄のない転職
- 3つの診断コンテンツ
- 年収査定や合格診断などのコンテンツが人気
- オファーメールでモチベーションを維持しやすい
- 日経バリューサーチの業界レポートが読める
首都圏・ITに強いtype(タイプ)
type(タイプ)は求人数も求職者も大手に比べるとあまり多くありません。ただその分企業側とのスムーズなやり取りが期待できますし、厳選された中からステップアップしやすい求人を探せます。IT系での転職を考えていたり、首都圏に狙いを定めている人は登録してみても良いでしょう。
- 首都圏エリアに強い
- 経験者向けでキャリアアップが狙える
- エンジニア転職フェアもあり
- 企業からのスカウト機能がある
- スムーズなやり取りができる
地方求人を探す場合について
地方で転職を検討している場合は、その土地の求人しか扱っていない地方の転職サイトも併用しましょう。例えば、北海道札幌市ではジョブキタという転職サイトがダントツの知名度を誇っており、昔から地元民に親しまれています。
UIターンを検討している人や転勤のない地域密着型の中小企業で働きたい人は、全国展開の転職サイトと地域特化の転職サイトの2種類を併用して求人情報を集めていきましょう。
年齢ごとに強みを持つサイトも要チェック
先ほど紹介したサイトはもちろんおすすめです。ですが、年齢ごとに強みのあるサイトも存在します。大手サイトと組み合わせて利用すると、幅広い求人や転職活動対策に繋がりますよ。
まとめ
転職サイトは簡単に誰でも利用できる代わりに、応募やスケジュール調整などの自己管理が必要です。解説した注意点を参考にして、上手に活用してみてください。
新型コロナウイルスの影響で一時的に採用ニーズが減っても、人不足という社会構造は変わりません。状況が終息すれば再び中途採用市場が盛り上がることも想定されますので、転職を検討している人は応募書類の準備などできることから始めておきましょう。